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働きやすい職場づくり

2022/06/27 13:33

「快適かつ安全に働き続けられる職場環境」を整えることは、利用者にとって安全で質の高いサービスを提供するだけでなく、スタッフのモチベーションや作業効率の向上、また採用力強化や離職者の抑制にもつながるとされています。これからの介護事業者にとってますます重要になる働きやすい職場づくりのポイントを紹介します。

環境整備は施設の評価を左右する

日常的に使用する備品類が倉庫に収まらず、廊下やホールといった利用者が行き来するエリアに置かれている。忙しい事業所ほどこうした風景を目にすることがありますが、乱雑に積まれた段ボール箱や、床に放置されたリネンなどは、利用者が躓いたり、歩行を妨げる要因にもなります。また、入所希望者や利用者のご家族、あるいは採用面接にきた方が施設を見学することもよくあります。整理整頓に目が行き届いていないと、それだけで施設全体の印象が悪化してしまいます。
また、日々の業務にあたるスタッフにとっても、使いたい備品がすぐに見つからなかったり、動線が非効率な施設で働いたりしていると、余計なストレスを抱えることになります。小さなストレスが積み重なることで、施設全体の雰囲気が悪化することにもつながりかねません。

【コラム】5Sについて

厚生労働省の施設・事業所向け手引き『より良い職場・サービスのために今日からできること』によれば、職場環境を整備する方法として「5S活動」を提示しています。5Sとは「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの活動の総称であり、これらを徹底し、組織の業務プロセスとして習慣化することが重要であるとしています。

5Sとは…

要素 概要 介護現場における事例
整理 要るものと要らないものをはっきり分けて、要らないものを捨てる 保存年限が超えている書類を捨てる
整頓 三定(定置・定品・定量)
手元化(探す手間を省く)
紙オムツを決まった棚に収納し (定置・定品)、棚には常に5個 (定量)あるような状態を維持し、取り出しやすく配置する(手元化)
清掃 すぐ使えるように常に点検する 転倒防止のために常に動線上をきれいにし、水滴などで滑らないようにする
清潔 整理・整頓・清掃(3S)を維持する
清潔と不潔を分ける
3Sが実行できているかチェックリストで確認する 使用済みオムツを素手で触らない
決められたことを、いつも正しく
守る習慣をつける
分からないことがあったとき、OJTの仕組みの中でトレーナーに尋ねることや手順書に立ち返る癖をつける

※厚生労働省『より良い職場・サービスのために今日からできること』より

具体的な対策について

5Sを念頭に入れながら、具体的な対策を立てていきます。まずはスタッフに「5S」の重要性を浸透させ、日常業務の中に組み入れていくことが前提となります。

・清掃

事業所の清掃は専門事業者に依頼するケースも見られますが、施設独自に行う場合は、特定の場所だけでなく施設全体をしっかりとカバーできているかを意識したいものです。ドアの取っ手や照明・空調のスイッチ類、廊下・ベッドのレールなど、人の手が触れやすい部分は消毒も兼ねてこまめに清掃しましょう。また浴室やトイレの日常的な清掃や、嘔吐物・排泄物の処理などは、薬剤の使用方法や分量を含めたマニュアルを整備し、しっかりと遂行されているかを確認することも重要です。

・臭い対策

さまざまな原因から生じる臭いは、介護業界ならではの問題と言えます。特に問題になりやすいのが排泄臭です。便臭は使用済みのおむつを新聞紙やビニール袋でくるむなど、しっかりとした対応をとることで軽減することができます。尿臭はより残りやすいため、使用済みのおむつやパッド類の処理、失禁時の対応をしっかりと見直し、床や設備に尿臭が付着しないような工夫が必要です。

・備品の整理

多くのスタッフが共同で利用する備品類は、「決められた場所に戻す」ことが大前提です。まずは使い勝手がよくない収納箇所を洗い出し、期限を設けて、誰もが使いやすく常に業務にとりかかれる職場環境をつくってください。また、見落としがちなのが施設の玄関です。玄関やエントランスホールなどは見学者や利用者の家族の第一印象を左右するスペースですから、掃除用具や靴などがむき出しになっていないか、清潔で開放的な空間になっているかをチェックしておきましょう。

・動線の確認

機能訓練スペースやトイレ、浴室、食堂など、1日の業務の中ではスタッフが施設内を頻繁に移動します。日常的に移動するスペースは隣り合わせるなど、可能な範囲で無駄のない動線を確保したいものです。そのためには、スタッフが改善要望を出せる仕組みづくりも有効です。定期的な会議など、日々の業務フローの中で回収することも有効ですが、例えば「目安箱」のようなより気軽に意見を出せる仕組みをつくって、業務改善に成功した事例もあります。

まとめ

職場環境の整備は、より質の高い介護サービスを提供したり、そのためにスタッフのモチベーションやスキルを高めたりする上での第一歩となります。清潔感や安心感のある環境をキープし、ストレスや無駄のない快適な空間をつくることは、事業所全体の評価に直結するといっても過言ではありません。まずは5Sの理解と共有を徹底しながら、スタッフも利用者も、いきいきとした時間を過ごせる環境づくりに取り組んでみてください。

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