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知っておきたい「科学的介護」3
加算算定の仕組みについて ―後編 自立支援促進/その他(褥瘡マネジメント、排泄支援、薬剤系など)

2022/01/19 10:48

科学的介護の取り組みの推進にあたって、新設/一部見直しが行われた科学的介護推進体制加算を解説する本シリーズ。後編では「自立支援促進」「その他の項目(褥瘡マネジメント、排泄支援、薬剤系、ADL維持など)」についてのポイントを解説します。

自立支援促進加算の加点ポイント

①自立支援促進加算

自立支援促進加算は、介護保険施設系サービスを対象とし、新たに設けられました。
重度者であっても寝たきり状態になることを防ぎ、本人の尊厳保持と日常生活における自立を目指して、一連の取り組みを評価する制度であり、LIFEへの連携が要件になります。
対象となるのは施設の利用者全員で、加算単位は月300単位と大きな加算になりますが、以下の要件を満たす必要があります。
①医師による利用者全員への医学的評価(少なくとも6か月に1回)、日々の過ごし方などにかかるアセスメントの実施
②施設内の多職種が連携し、特に自立支援が必要な人を選定する
③特に自立支援が必要な人に対して多職種によって支援計画を作成し、実施する(少なくとも3か月に1度の見直しが必要)
支援計画は「特に自立支援が必要な人」を対象としますが、加算対象は全ての利用者になります。ここで得られた情報は、科学的介護に関連する要件として、LIFEに提供し、そのフィードバックをもとに計画の見直しを行います。

LIFEに提供する情報
・医学的評価を基本とした情報:疾病の診察名などの医学的評価や全利用者へのアセスメント、機能回復や重度化防止の見込みなど
・支援計画:対象となる利用者に対して、離床や基本動作、ADL(日常生活動作)、日々の過ごし方、訓練時間・といった視点から支援の計画を作成
支援実績:離床、基本動作、ADLなどの項目ごとに、それぞれの回数、時間、している動作といった実績

褥瘡マネジメント、排泄支援、薬剤系、ADL維持の加点ポイント

2018年度の改訂によって新たに設けられた褥瘡マネジメント、排泄支援、薬剤系、薬剤関連、ADL維持の加算にも一部変更が施されます。

②褥瘡マネジメント

施設系サービスを対象に、褥瘡の重症化防止を目的に加算された褥瘡マネジメント加算は、以下の改訂が行われました。
1.算定の頻度が増え、毎月の算定が可能に。
2.「褥瘡リスクありとされた人」に対して褥瘡の発生を防げた場合のアウトカム評価の導入

LIFEに提供する情報
・「利用者全員の褥瘡リスク評価」「褥瘡リスクありとされた人への多職種連携によるケア計画作成」に関する情報

③排泄支援

施設系サービスを対象に、排泄の自立に向けた取り組みの促進を目的に加算された排泄支援加算は、以下の改訂が行われました。
1.「排泄に介護を要する利用者」とされていた対象が、スクリーニングを要件として、全利用者(原則)に変更されました。
2.「おむつ使用ありから、使用なし」へと改善した場合のアウトカム評価の導入

LIFEに提供する情報
・全利用者の排泄の自立にかかる定期的な評価(少なくとも6か月に1回)

④薬剤系

介護保険施設の一部を対象とした薬剤管理に関する加算で、
老健施設の「かかりつけ医連携薬剤調整加算」、介護医療院の「薬剤管理指導加算」があります。
・入所者の服薬情報を「薬剤変更などにかかる情報提供書」を用いてLIFEに情報提供すること
が新たな要件に加えられました。

⑤ADL維持加算

一定の期間(評価対象利用期間)を満たす利用者に対して、ADL測定を行い、ADLの維持・改善の度合いを評価するアウトカム評価加算。通所介護のみに限られていた対象者に、特養ホーム、居住系サービスも加えられました。
・ADL測定の結果
をLIFEに提供することが新たな要件に加えられました。

まとめ

各事業所単位で行っているLIFEへの情報提供に対して、厚生労働省から比較検討に使えるような詳細なフィードバックはまだ届いていません。
しかし科学的介護は重要な政策の一つであり、今後の介護の事業の安定化、多事業所との差別化を進める上でも、今のうちからLIFEを通したデータの活用に意識を向けておきたいものです。

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